観ている間の美しさと苦しさ。エンドロールが流れ終わった後の余韻。滑り込みで観ることができたのだが、、、一つ一つのシーンで心が揺さぶられ、それらを思い返してしまう。
草彅剛さんの姿がもはや見えない。ただそこに凪沙がいるのである。治療に苦しみ、泣きながら「どうして…」と言葉を紡ぐ日々がどれだけ続いたのだろう。学校を歩くだけで、面接を受けただけで視線を感じ、一果の為に働けばそこでもまたステレオタイプがある。ただ生きることすら辛い世界を、凛と生きようとする姿が苦しくも美しい。
そして一果の姿に何度も涙が出てしまった。ショーパブで1人踊り出したときのあの美しさはどう言い表せばいいのか。彼女が凪沙を女から母へと目覚めさせ、自らを白鳥にしていく日々が微笑ましい…。
しかし凪沙は本当の母になれない。一果の周りにも、思いかえせば中盤とんでもない悲劇が起こっていた。交互に起こる苦しみと愛しさ。最後の2人のシーン、その後の1人のシーン。どうして凪沙に与えられたラストはあれだったのか、彼女はただ一果という白鳥を育て、放つ母にはなれたのだろう。
うん、感情が溢れてまとまらない。