「ゲット・アウト」や「アス」と同じプロデューサーによる作品らしいのだが、あまりプロデューサーで映画を選ばないので、そこに価値があるのかどうかは良く分からない。その2作に比べると、やや評価が低いようにも見受けられるけど、僕は「アス」と同レベルで楽しめた。
3作品に共通するのは人種問題をモチーフにした風刺性だが、そこにリアリティを求めるのなら、この「アンテベラム」は構成が突飛に思えるかもしれない。僕の場合は、社会風刺作品であっても、リアルさより発想のユニークさを重視するので、その観点で言えば、本作はかなり高ポイントとなる。
また、主演のジャネール・モネイが、聡明かつ独創的な人物像を好演しており、彼女が作る音楽に通じる魅力が満載だ。「ナイブズ・アウト:グラス・オニオン」や「ドリーム」でも似た雰囲気の役を演じていて、人種問題のメッセンジャーとして、彼女がどのような期待を集めているのかを伺い知る事が出来る。
もうひとり、同じくミュージシャンのリゾが出演?いやなんか違う?と思ったら、彼女にそっくりな別人だった。どうしてソックリさんに彼女の曲を歌わせたのか?謎の演出。