黄推しバナナ

パラサイト・イヴの黄推しバナナのレビュー・感想・評価

パラサイト・イヴ(1996年製作の映画)
4.0
監督 :
落合正幸
脚本 :
君塚良一
原作 :
瀬名秀明
音楽 :
久石譲
出演者 :
三上博史
葉月里緒菜
別所哲也
中嶋朋子
稲垣吾郎

原作は未読

今作に類似している作品は、

フランケンシュタイン(1818年)
妖怪人間ベム(1968年)
吸血鬼ゴケミドロ(1968年)
寄生獣(1990年)
スピーシーズ 種の起源(1995年)

パラサイト・イヴ(原作1995年)

マッド・サイエンティストとパラサイト(寄生)の組み合わせの発想はパラサイト・イヴの作品に反映されている様に思えるのだが。

考えすぎか…

劇場公開後フジテレビで何度か放送されていた本作だが、あまり面白くない印象しか残っていなかった…まぁ落合正幸監督の劇場公開映画デビュー作なので印象が薄いのと、ホラー映画なのか、SF、ラブストーリーなのか軸足をどこに置いてあるか分かりづらいのも好印象でない点であった…※当時の感想ですよ。

落合正幸監督作品は、

【ドラマ】
世にも奇妙な物語(1990年 - 2012年)
NIGHT HEAD(1992年)
if もしも(1993年)
沙粧妙子-最後の事件-(1995年)
聖なる怪物たち(2012年)
春の呪い(2021年)
言霊荘(2021年)
などなど…
【映画】
パラサイト・イヴ(1997年)
催眠(1999年)
天使の牙B.T.A.(2003年)
感染(2004年)
シャッター(2008年)
怪談レストラン(2010年)
呪怨 終わりの始まり(2014年)
呪怨 -ザ・ファイナル-(2015年)
などなど…

物語は、
太古の昔に存在した利己的遺伝子「イヴ」が生物に寄生(パラサイト)して何億年も生き延びていた。「ミトコンドリア」研究の第一人者・永島利明(三上博史)はある日、妻の永島聖美(葉月里緒菜)を交通事故で失う…妻の死を受け入れられなかった永島利明は妻の肝臓の肝細胞を「Eve1」として培養し始める…それはすべて仕組まれた罠であり、ミトコンドリアの人間界への進出計画の膜が開けようとしていた…


この度レビューに書くため再確認したところ初回にして落合正幸監督の“見た目は濃いのに味はあっさり”とスタイリッシュな映像は初監督の一作目から健在だった。

顕微鏡で見た細胞のように中学校の水泳の時間のプールの波打つ水面
白で統一された清潔感溢れる永島聖美の家
人物にあたる木漏れ日
サブリミナル効果のように永島聖美には白色を基調に使う
カタツムリ
サブリミナル効果のように緑色が劇中に散りばめられている
サブリミナル効果のようにアルコールランプの炎が永島利明の腕に重なる映し方でラストとシンクロしている
永島利明には赤色を基調に使う
永島利明の車は赤色
永島聖美の事故った車は白色
病院に駆けつけた永島利明の顔にだけ夕日が掛かる
背景にも赤のライティングが掛かる
病院のベットに脳死の状態で横たわる永島聖美
白いシーツと白いベット、頭には白い包帯の永島聖美
結婚式の回想シーン全体的に緑色のライティング
妻の症状を医師の清水学(渡辺いっけい)から告げられる永島利明…外はどしゃぶりの雨…雨によるゆらぎのライティング
移植コーディネーターの小田切悦子(萬田久子)全身黒尽くめ彼女の基調は黒色
意気消沈で自宅に帰ってきた永島利明
明かりをつける前は青色のライティング
明かりをつけたら赤色のライティング
どしゃぶりの雨の中の研究室で悲しみに暮れる永島利明
プール、雨、水、研究中の肝細胞培養液、モップ掛けの残り水「イブ」へのサブリミナル効果
妻からの誕生日プレゼントは赤色のまだらのネクタイ
医師の吉住貴嗣(別所哲也)と大野達郎(稲垣吾郎)は上下黒のスーツ
サブリミナル効果で黒色は厄災を連れてくるもの
手術中の医師と看護師の手術着は赤色…ラストの炎に包まれるシーンとシンクロしている
安斉麻理子(大村彩子)の腎臓手術のため永島利明と裏取引をした辺りから病院の画が、感染(2004年)の病院の画とリンクしてくる。※詳しく言うと今作より「感染」は7年後の作品なので、「感染」が「パラサイト・イヴ」にリンクしてくるが正しい。→病院の廊下、病院の病室、看護師の制服、安斉麻理子の病室にいる狐面の子供
イブに体を乗っ取られた朝倉佐知子(中嶋朋子)が研究会議の場でピッチを始める際の服装は上下黒のスーツ
会場内は青色のライティング
サブリミナル効果で青色は絶望
妻が最後に用意した誕生日ケーキのろうそくに火を付ける永島利明
過去の回想シーンでサンタクロースの格好でクリスマスケーキを売る永島利明


上記に上げた落合正幸監督の色への拘り演出とライティング…
世界規模の侵略話だが本編はこじんまりとしているのに壮大な久石譲のBGM…
耳から脳の奥底にへばり付くように残る水滴の落ちる音、水の溢れる音、水の中の籠もる音のSE…

この計算された相乗効果が流石に上手い!
ホラー→SF→ラブストーリーへの変動は今の私なら納得行く内容!再鑑賞してかなり楽しめました。「フランケンシュタイン」にしても「鉄腕アトム」にしても愛する者の死を受け止められず、愛故に代わりの物を作ってしまう…そうテーマは“愛”なのだ…※原作は全く違うらしいが落合正幸監督の解釈でラブストーリーに変動してしまった…
映画への愛故に…

落合正幸監督ありがとうございます。

だが一言…これは玄人向けの作品だろ…
当時の私はこう言うだろ…
分からねぇよ…

余談ですが、
「イブ」の登場シーンの裸体…
他のコメントでは、
葉月里緒菜の胸に特殊メイクを付けている
特殊メイクで葉月里緒菜の胸が平ら
特殊メイクで乳首が無い
葉月里緒菜が脱がないから変になった
などなど…
どんだけ胸気になっとんねん!

ミトコンドリアの集合体だから人間離れの感じで良かろうに…

因みに私が気になった点は、

「イブ」の登場シーンで葉月里緒菜の“右手首の時計のバンドの日焼け”…

ファンデーションで地肌の白を隠せ…
落合正幸監督、事を仕損じたな…😏

①鑑賞年齢20代(学生)
②心に余裕鑑賞あり
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

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