まりぃくりすてぃ

根矢涼香、映画監督になる。のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

3.0
何でもできて目ヂカラもある根矢さんが、“目ヂカラ以外にひとっつも取り柄がない者” を演じてる。妖艶なほうである根矢さんが、“塗らない限りは単にダサダサ” で通してる。上手い人なのに根矢さんが、大根役者疑惑まで呼び寄せてる。彼女が現に邦画界の (玄人受けする) 片隅を強力に支えてるカリスマなのか、それとも過大評価をほしいままにしてるギミックなのか、おそらくずっと後になって答えが出た時、この何でもない短編はすっごく重要な意味を帯びてくるだろう。。
ところで、本作にも出てきたけど、映画関係者が台本のことを気安く「ホン」と呼ぶの、私は好きくない。本来毎回命懸けで書かれるべきもの (実際はそうじゃないにしても) が脚本・台本なんだから、「脚本様」「台本様」と呼びなさいね。そこまでの熱さがないから邦画は駄作率ばかり高いんだ、と私は哀しい発見をする。「ブック」の対義語が「リアル」であるのと同じく、「ホン」は「ガチ」の対義語以外の何物でもない。こ・れ・が・日・本・語・だよ!!! まるで現実そのもののようにスクリーン内にありありと真実を描いて初めて「じつは、ガチじゃなく、ホンがあるんです。え? ホンは私が書きました…」と嬉しく恥ずかしく云えるんであって、嘘臭い情景しか描けてないうちは、「ホン」なんていう隠語で自己陶酔せず、作り手も俳優部も「台本様」とお呼びよ。