memmmiii

プロミシング・ヤング・ウーマンのmemmmiiiのレビュー・感想・評価

4.5
20代前半の頃、酔っ払って寝ていたところを襲われたことがある。その時は確かに意識がなくなるまで飲んだ自分も悪いと思ってた。その後いろいろなニュースや訴訟を知るたびにあの時のアレって犯罪だったんだ、私は悪くなかったんだと知って逆に傷付いてきた。
本や映画やニュースやSNSを通して知識が増えれば増えるほど、過去に経験した性暴力や性差別に思い当たる節がありすぎて辛くなるのがここ数年の私。

でも歴史を繰り返さないためにはこんなの間違ってる!と声を上げていく必要がある。
そして性犯罪は罪を犯した本人だけでなく、男女関係なくそれを助長し擁護する周りもダメなんだということを公平に示してくれてるのがこの映画。

主役キャシーは、普段は00年代前半のブリトニー・スピアーズみたいな格好してて、淡いピンクのバスローブやパステル調のサマーニットや花柄ワンピで、住んでる実家もナニソレ?みたいな時代に取り残された内装(しかもママはジェニファー・クーリッジ!)でチグハグしてて、おそらくニーナとの古き良き思い出から抜け出せないでいるんだろうなということが分かるんだけど、夜バーで男たちを標的にするときはスーツを着崩したり娼婦みたいにしたりと「こんなのが好きなんでしょバカヤローども」という着こなしのバリエーションが楽しい。

そして何よりブリトニーのTOXICのアレンジがかかる時にしている格好!!サイコー!!!
歩き方も変わるんよな!
ファッションっていうのは周りにどう見られたいかという意識の他に「この戦闘服で行く!」っていう自分のモード切り替えみたいなのがあって。
キャシーのそのシフトチェンジがすごくしっくり来た。

それと長身のライアン、誰だっけな〜と思ってたらエンドクレジットでボー・バーナムの名前見て「あっ」と声を上げてしまったよね...
エイスグレードの監督、スタンダップコメディアンの彼ですよ...
この映画、キャスティングもすごい成功してて、もちろんキャリー・マリガンも最適だと思うし、ラヴァーン・コックスがトランス女性だという説明も全く必要なくカフェの同僚という形で自然に存在しているものいい。ベタベタしないシスターフッドで繋がっているのも。(ただし白人女性からトランス黒人女性への連帯・継承はそう簡単ではないだろとも思う)


ちなみにオープニングで「字幕:松浦美奈」を見た瞬間にガッツポーズをしてしまったありがとう
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