しちれゆ

17歳の瞳に映る世界のしちれゆのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
3.8
オータムの内なる世界には、ティーンなら誰でもが持っているであろう未来への期待や希望が存在しない。田舎町のスーパーマーケットでレジ打ちのバイトをして、安全ピンを火で炙って自分で鼻ピアスをあける。そんな日常の中で妊娠をして中絶のためにNYへ。スクリーンに映し出される彼女はとても悲しい。中絶のためのカウンセラーとの問診、
Never・Rarely・Sometimes・Always
1度も・稀に・時々・いつも
このどれかで答えてください、っていうあれ。これが映画の原題になっていて、4択しかない答えを余儀なくされる。
病院の人々は意外にも親切でオータムを気遣い、お金や泊まるところの心配もしてくれる。その扱いは、こんな少女たちが沢山いるのだろう、と思わせる。
バスで知り合ったジャスパーもそんなにワルでもなくてスカイラーに対する下心はあれど親切にしてくれる。

オータムがどんな経験をして周りの人たちに心を閉ざしてしまったのかは分からない。けど、いつかは彼女に笑って欲しい。本当の愛を知って欲しい。4択から選ぶ答えではなく自分の言葉で語って欲しい。
若い人には、人生を浪費しないで、と切実に思う。
しちれゆ

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