コタロヲ

リダウトのコタロヲのレビュー・感想・評価

リダウト(2019年製作の映画)
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映画館で鑑賞

サイレントのようにも感じましたが、何処と無く先鋭的であり、かつ古典的でもある。

大抵の場合、そこに明確な“意思”が存在しますが、この作品ではその“意思”が無いように思える場面が多くあるように思います。それは反骨心のようにも感じますが、茫漠とした自然とその営みを前にし、粛然と自らの尊厳を示しているかのような、“原始的な営み”とも言える原点が、そこにあったように思います。
ただ追いすぎるあまりに、内部腐食してしまったような感じもしました。

一方では、あまりにロゴスで切り取ってしまうのもナンセンスで、良くないのかなと思っています。見たままで良いのかなと。

どの層に流れているのだろうと不思議に思う音と音楽が、凍てついた山々を割いたり波打たせたりし、それがエンドロールまで続くという贅沢さ。
スッキリとはしないのだけれど、あの月光のように、時にはボンヤリとしてても良いのかなと思いました。

一連の銅板のシーンには目を奪われました。

ギリシャ神話のアレンジであると鑑賞後に知り、また機会があれば調べてうえで再鑑賞したいです。
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