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MINAMATAーミナマターのmakoのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.3
《1枚の写真が世界を呼び覚ます》

史実に基づいた物語。
ジョニー・デップが写真集を映画化したいという情熱から制作に至った。

アメリカ人のフォトジャーナリスト、ユージン・スミスが当時彼の妻だったアイリーン・美緒子・スミスと共に1975年に発表した「MINAMATA」。この写真集により世界に水俣病を知らしめた。
本作ではその写真集にある写真も使われているみたいです。

日本四大公害病の一つ、水俣病。
日本の大企業チッソが、熊本県水俣市の海に垂れ流している工場廃水に含まれる水銀が原因。海で釣った魚を食べた人達が発症。

本作では、ユージン・スミス自身の事。
ユージンとアイリーンにより水俣病がどのように世界に知らしめたのか。
水俣病の患者や家族の実態。
チッソに補償を求める運動家たち(患者家族)の活動。
が描かれていました。
実際の写真や映像が挿入され、丁寧、かつ真摯に作られていることが伝わりました。

本作で起きたことは実際にあったことで、ほぼ事実のようです。
少しネタバレになりますが、劇中ユージンからカメラを習う少年が出てきますがこれも本当にあったことだそうで、この少年は実在する人物だそうです。

舞台は水俣市ですが、水俣の街そのものが1970年代以降に大きく変化したため、水俣でのロケーション撮影はごく一部に限られた。残りの部分は、セルビアのベオグラード港の倉庫でのセット撮影と、モンテネグロのティヴァトという海岸沿いの町でのロケーション撮影で構成された。
なので、日本には見えなかったのが残念でしたが、作品の内容は素晴らしいので多くの人に観てほしいと思いました。

水俣病のことは教科書で知りその時に写真をみた程度の事しか知りません。
なので、本作を観て学ぶことができました。日本にいて公害病のことを知らない自分が恥ずかしく思いました。
そして、この水俣病ですが、水俣病公式確認から65年経ったけど、現在も救済を求め複数の裁判が続いているということを知り愕然としました。
まだ解決してないのに、2013年安倍元総理は克服宣言をしていたことにも驚き呆れました。何も分かってないということがよく分かりました。

エンドロールで世界中の「人為的な事件」が紹介されていました。
日本に限らず、世界中に公害病が起きていることを知らないといけないと思いました。

劇中、グッとくるシーンがいくつかあり涙が出そうになりました。

出演者、皆さんよかったです♪
ジョニー・デップはいろんな問題で全米公開が未定になってて残念です。日本は延期になったけど公開されてよかった。
ジョニー・デップの演技はよかっただけに残念です。
真田広之さんの役と加瀬亮さんの役は複数の実在の人物を合体させたオリジナルキャラクターだそうですが、真田さんが演じた山崎は川本輝夫さんらしいです。
アイリーン役の美波さん、素敵でした✨
雑誌「LIFE」の編集長役にビル・ナイ。


パンフレットは滅多に買わないけど、今回は本作のことを知りたいと思ったので買いました。
パンフレットの表紙がオシャレで読み応えがあり、買ってよかったです♪
こちらにパンフレットの表紙を載せてます。
https://www.instagram.com/p/CUNYqhGJKvg/?utm_medium=copy_link



観客 15人くらい
日本語字幕: 高内朝子
劇場鑑賞 #109
2021 #155
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