Yuki

エイブのキッチンストーリーのYukiのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

Netflixにわたしが宗教のこととか好きだっていってないのに、マッチ度97%で、観たらめちゃくちゃ面白かった。
ユダヤ系の母とムスリム系の父の元に生まれたエイブ。それぞれの家族で人種が違うから、慣習や政治の話で家が揉める。試すのはできるけど、両方は選べない。
せっかくのエイブの誕生日も、口論で家がまとまらない。ハッピーバースデーの歌の発音もそれぞれ違うし、エイブの呼ばれ方もイブラヒム、アブラハム、アビと呼ばれる。逆にそんな経験できるなんて稀有なことだとも思うけどね。
エイブにとっちゃ、誕生日なんて最悪。
ただ祝ってほしいだけなのに。ただ家族と楽しく食卓を囲みたいだけなのに。12歳の少年にはあまりにも酷な状況すぎるよね。

少し大人になったから、ブルックリンを冒険をすることに。そこで、自由な食べ物が溢れている世界を目の当たりにする。エイブはエイブのやり方で、大好きな料理にさらに没頭することになる!

料理で、いろんな産地のものをミックスして、新しくて、とてつもなく鮮やかで美味しいものができるように、人間もいろんな価値観の人がミックスされて、それでもすべてが尊重される、新しくて自由な組織がたくさんできればいいのにね!私は、そういう価値観があっていいと思う!

12歳の大冒険!好きを突き詰めて、チコのもとに怖いものなしで入っていくエイブが最高だし、受け入れてくれたチコもチョー最高。こういう大人がいるから子どもは自由に育つし、価値観もどんどん広がってくと思う。
子供はこうだから、◯◯人はこうだから、宗教はこうだからと決めつけるのでなく、もっと自由でいい。過去や未来の時代を含めても、わたしたちは私たちでしかなくて唯一無二なんだよ!
って言われてる気がしてめちゃくちゃワクワクした。
ゴミ捨てから始まった修行、どんどん成長して、賄いを作るまでに。
食にも香りやお洋服と同じように素材すべてに誰かの想いがあって、合う合わないがあって、作っている地域や気候によって全然違ったりとてつもなく合ったりして、っていう食の地図にワクワクした。
自分のルーツはときにプライドを持ちすぎると、呪縛になってしまうよね。
無宗教だから間に立って俯瞰してみれるけど、日々の生活に根付いているものや価値観を誰かに寄り添わせるって本当に難しいんだよね。
エイプがいなくなったときに、家族がまとまったのはなんかもっと早く気づけよって感じだったけど、泣いて疲れて心を寄り添わせてそして食べるシーン。ほんとだったらこんな悲しい状況で絶対食べてられないと思うけど、この映画ではめちゃくちゃ大事なシーンだった。
人生は美しくなる前に汚くなるのかもって12歳のエイブが言ってたのもとても大人だった!(雨降って地固まる、だね!)
Yuki

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