松原慶太

画家と泥棒の松原慶太のレビュー・感想・評価

画家と泥棒(2020年製作の映画)
3.3
ノルウェーのドキュメンタリー。女流画家が、彼女の絵を盗み出した窃盗犯に興味を持ち、肖像画を描かせてくれ、と頼む話。

全身タトゥーのいかにもヤク中らしい泥棒さんは、さいしょ露骨に警戒感を示すのだが、彼女のアーティストとしての真摯さに、しだいにこころを開く。

ふたりに友情が生まれるが、やがてそれは共依存的な危険性も孕んでいく。そしてふたたび窃盗を犯した彼は刑務所に収容されることになる...。

これたぶん、キアロスタミの「クローズ・アップ 」(キアロスタミを自称したニセ映画監督事件があり、その犯人自身に主人公を演じてもらい監督詐称騒動を映画にしている)を参照している。

問題は、これほんとにドキュメンタリーなんかな?と多くのヒトが感じるとこ。ストーリーが「出来過ぎ」だし、そんなとこにカメラ入るのかなと感じるような、パーソナルで決定的なシーンの映像が多すぎる。

ただドキュメンタリーとしては非常に観やすいし、面白いことはたしか。
松原慶太

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