T太郎

情婦のT太郎のレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.2
1025
たまにはクラッシック映画でも観てみるか。
てな事で選んだ作品がこれだ!
2回目の鑑賞である。

名匠ビリー・ワイルダー監督、大女優マレーネ・デートリッヒ主演でお送りする、ミステリー映画だ。
原作はミステリーの女王、アガサ・クリスティ。

マレーネ・デートリッヒ主演と言ったが、ホンマはチャールズ・ロートン、タイロン・パワーとのトリプル主演である。

大好きな女優さんなので、マレーネを強調しておきたかったのだ。
申し訳ない。

法廷物の傑作サスペンス映画だ。
これは是非とも観ていただきたい作品の一つである。
かなり面白い!

なにかしらの先入観で、クラッシック映画を敬遠している方は、騙されたと思って観て欲しい。
観終えた直後、思わず私にお礼の金品などを贈与したくなるはずだ。
そんな作品なのである。

ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)は、凄腕のベテラン弁護士だ。
大病を克服して復帰したばかりだが、看護婦の目を盗んで、葉巻やブランデーをたしなむという困った男である。
そんな彼の元に、ある刑事事件の依頼が舞い込む。

依頼者はボール氏(タイロン・パワー)という、気のいい正直者だ。
私と同じでハンサムなだけが取り柄の男である。
彼は、ある女性資産家殺人事件の容疑者として被告席に座る事になるのだ。

ボール氏の妻がクリスチーネ(マレーネ・デートリッヒ)だ。
悪女然としたクールな女性である。
冷たい無表情を崩さない、謎の美女といった風情だ。

彼女が、被告の妻でありながら、公判では検察側の証人台に立つのである。

果たしてウィルフリッド卿は、圧倒的に不利な状況下、ボール氏の無罪を勝ち取る事ができるのか?

検察側の証人として出廷したクリスチーネの真意は?

そんな物語である。

    以下ほんのりネタバレ
 
 これは、本当にネタバレ厳禁の作品        
 である。
 ほんのりと言えど、致命傷になりか
 ねない。
 だから、まだ観た事ないよ~て人は
 絶対に読んじゃダメだよ。
 絶対の絶対だよ!

・・・ほんのりと言いながら、がっつりネタバレしたい自分がいる。
私の黄金の左腕がウズウズして仕方ないのだ。

なるべく、がっつり行かないよう自重するつもりだが、途中で情熱がほとばしってしまったら、申し訳ない。
あらかじめ、深く陳謝しておく。

実はこの作品、一つの大仕掛けがあるのだ。
この大仕掛け一本をもって、名作として残ってきたと言っても過言ではないだろう。

CGはもちろんないし、特殊メイクの技術も確立されていない時代だ。
公開当時の人々は驚嘆したに違いない。

一昔前のサスペンス映画オールタイム・ベストなどでは、必ずベスト3には入っていた作品なのだ。

先ほどは大仕掛け一本みたいな事を申し述べたが、実はそれだけではない。

俳優陣の素晴らしい演技と巧みな演出。
名匠ビリー・ワイルダー監督独特のユーモアも相まって、非常に気持ちのいい作品に仕上がっているのだ。

大仕掛け以外の部分も、すこぶる面白いのである。

タイトルやジャケットで、エッチな作品だと思われた方もおられるかもしれないが、全くエッチな場面はございません。
皆無です。
ザマ見ろ。
(お前や)
T太郎

T太郎