冷たく現実的でありながら、どこか美しく 非現実的にも感じるストーリー。それらと、アンソニー･ホプキンスを見つめながら混乱している自分がいましたが、演出が本当に素晴らしく「 老いるとは 」「 認知症とは 」こういうことなのか⋯ と妙に納得できました。
来たる将来。それは 想像を遥かに上回り、これほど美しいものではないだろう。
ただ、辛い時やもう限界だと感じた時、この映画を思い出し、本人も「 とてつもなく戸惑っているのだ 」と言い聞かせ、なんとか自分を落ち着かせよう。
私の大好きな、いつも通りの 知的でユーモアがあり、品のあるアンソニー･ホプキンス
そして、状況を把握出来ず、狼狽するアンソニー･ホプキンス
わけなく演じているようにも見えますが、実際はどうなのだろう。彼に、演じられない役柄なんて、ないのではないか。
いろいろな物が失われていく中、オリヴィア･コールマンを気づかい、優しく肩に手を触れるシーンでこらえていた涙が溢れ出し、また、初めて目にした 子どものような振る舞いをするアンソニー･ホプキンスの姿を見つめることは本当に苦しく、心が揺さぶられる思いとある種のショックで、涙を止めることが出来ませんでした。
改めて サー･アンソニー･ホプキンスの凄さと素晴らしさに感嘆し 尊敬の念を抱くとともに、これからもずっと、彼の作品を追い続けていきたいと思います。
