すんご〜〜いインテリアが語ってくれて好き!!
アンソニー•ホプキンスもオリヴィア•コールマンもすごいけど、美術チームも相当すごい!!
同じ間取りなのに少しづつ違う。
“アンソニーのフラット”はビリジアンブルーとカナリアイエロー、家具は年季の入った濃い木材
“アンのフラット”はエコーブルーとベージュっぽいスモーキーピンク、綺麗な木目と細いゴールドのフレーム、ヴィンテージとモダンが美しく組み合わさったコーディネート
“老人ホーム”は色味を抑えたペールブルー、家具も安い量販店のような質感
“病院”にあった象徴的なブルーとイエローのチェアが、次の瞬間どこにあるのか
認知症の視点で語られるストーリーはすごく興味深かったし、小学生の頃に母が認知症の祖母を家で介護してたので、どんどん私の知ってるお婆ちゃんでなくなっていくのと辛そうな母の姿を見て子供ながらにとても悲しかったのを思い出す
ところで“ケアラー”は実の娘だったりローラだったりアンジェラだったりキャサリンだったり、すべて女性なのよね
そしてもちろん辛いとはいえ忍耐がないというか合理的なのは夫
老人ホームには“ビル”という男もいるけど実際何してるのかよく分からない(介護人か医者なのかだろうけど“ケア”をする描写はない)
アンソニーの子供が2人の娘ではなく息子だったら誰が介護してたかな
どんどん幼い子供みたいになってしまうアンソニーを優しく包むのは“母性”なのね…という軽い絶望と、
介護というキツい日常を抜け出し愛する人とのパリの生活に舵を切るアンの、後ろめたさと吹っ切れた表情から読み取れるほんの少しの希望。