まるで自分もアンソニーになったかのように、色々なことの辻褄が合わない。
ちゃんと自分の記憶をたどって、論理的に話しているつもりなのに話が通じず、知らぬ間に厄介者扱い。アンソニー本人が周囲にそう思われていることを悟っているのも悲しい。
現実の一部が曖昧に記憶に組み込まれて、自分の中で新たな現実になっていて、現実と記憶の境目が全然分からなかった。認知症ってただ記憶が部分的になくなるわけじゃなく、自分で違う記憶を作っているところもあるのかなと思った。
認知症に限らず、同じことでも人の捉え方によって記憶は変わる。相手が思い通りに理解してくれないからってコントロールしようとするのは違う。コミュニケーションの在り方を考えさせられた。
