特筆するべき何かがあるわけではないが、良作の伝記映画であり、展開もわかりやすくてエンターテインメント性が高い。普通に面白い。
中盤、主演のテリーサ・パーマーとサム・ニールの微妙な親子愛の描き方が素晴らしく、印象的。
個人的にはここが一番の見所だった。
事実の物語とはいえ、脚本上ある程度の脚色や時系列の入れ換えはある様子。
結果として青春スポーツドラマとしてうまく纏っているのだが、反面、丸く収まりすぎていて作品そのものの印象は薄め。
展開としては王道をなぞる形になっているので斬新さを求めて観るよりはあくまで娯楽として気楽に楽しむべき。
男尊女卑社会で活躍する女性スポーツ選手を描いた作品というのもだいぶ目新しさは無くなってきたかな、と。
何かもう一要素加わって無いとセンセーショナルな印象は得られないのかもしれない。
余談だが、兄のスティーヴィ・ペインを本人が演じていた事実には驚き半分納得半分。
終始笑顔が印象的で、実際にダウン症と思しき人物をキャスティングしている様に感じられたので、あれは誰なのだろうかと鑑賞中ずっと思っていた。
