ほーりー

シャレードのほーりーのレビュー・感想・評価

シャレード(1963年製作の映画)
4.5
オードリー・ヘップバーンの美しさってカラーより白黒映像の方が映えるような気がしていて、必然的に「ローマの休日」や「麗しのサブリナ」「昼下りの情事」辺りが自分のなかで評価が高くなるのだが、勿論、カラー時代でも傑作は多い。

なかでも「暗くなるまで待って」と本作「シャレード」はサスペンス映画の大傑作だと思う。

冒頭、走り行く列車から男が転落したかと思えば、そのままカメラは転落した男の恐怖にみちた死に顔のアップを映し出す。そして、ヘンリー・マンシーニのテーマ曲が流れてオープニング・タイトル…。

もうこれだけで期待度MAXに振り切っちゃう!

列車から転落死した男の妻がオードリー・ヘップバーンであるが、夫の葬儀に参列した不気味な男たちの登場で、オードリーは夫がかつてある犯罪に関わった事実を知る。

さて、そこからが謎解きのはじまりはじまり。

夫は死の直前に家財道具一切売り払って高飛び中に殺害されたことがわかる。一体何に怯えていたのか… そうこうしてる内に関係者が次々と何者かに殺害される。殺人犯は誰なのか… そして、事件の裏には第二次大戦中に紛失した25万ドルの金塊が絡んでいた。その金塊は今いずこ…

オードリーは正体不明の男ケイリー・グラントやアメリカ大使館のウォルター・マッソーと共に事件の核に迫っていく。

GIVENCHYデザインのオシャレな衣装に身を包んだオードリーと、飄々としながらもいぶし銀の魅力たっぷりな初老のケイリー・グラントのコンビがとってもいい雰囲気。

脇役もウォルター・マッソーはじめ、ジェームズ・コバーン、ジョージ・ケネディと、その後の60年代後半から70年代にかけて大活躍するオッチャンたちが勢揃いしているのも面白い。

監督はジーン・ケリーと組んで、ミュージカルの傑作を量産していたスタンリー・ドーネン。今までのジャンルと異なる、こういった洒落たミステリーも上手く手掛けてしまうから凄い。
ほーりー

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