サヨ

ビバリウムのサヨのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.1
予告を見て視聴を楽しみにしていた映画。序盤からかなり不穏な雰囲気が漂っていて気持ち悪い。家の内見に行くことになったカップルが集合住宅地Yonderに取り残され、カッコウの託卵のごとく突然知らない赤ちゃんを育てることになる。

Yonderは広い敷地で庭付き、しかも造形や色などがまったく同じ家がどこまでも広がっている。題名であるビバリウムとは、”生き物の住む環境を再現した空間であり、Yonderこそがおそらく人間ではない生き物の赤ちゃんを人間に育てさせるためにできた空間だと推測できる。等間隔でまったくおなじ形をした雲、綺麗に整頓された家の中、風はなく自分たち以外の音もない世界。家族が住むのに完璧な空間はあまりにも歪で、彼らの奇妙な関係性のように気持ち悪い。

映画を通しての社会風刺や伝えたいことは分かるのだけれども、期待が高かったせいかなんだか終わり方がもったいなく感じた。おそらくマーティンに関する情報なんだろうけれど、息子が見ていた染色体のような画面が広がるテレビや音、本の内容についても触れて欲しかった。

“Quality family home.forever.”
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