空海花

逃げた女の空海花のレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
3.6
ホン・サンス監督・脚本・音楽・編集
ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。


女友達3人、それぞれをかき乱す男と
一瞬、猫🐈‍⬛(これ名演)

翻訳家の夫の出張中
主人公ガミ(キム・ミニ)は、ソウル郊外の女友達を訪ね、再会する。

彼女は5年間の結婚生活で夫とは1日も離れたことがない。
「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」
行く先々で彼女は夫の言葉を繰り返す。

バツイチの先輩
独身貴族の先輩
偶然に再会した旧友

彼女たちには、ガミが居る間に
彼女たちを煩わす男性が登場する。
それは鶏であっても。

長回しとズーム、カメラ・パン
その中の会話や仕草から
女友達との距離感や関係
彼女たちの仕事や生活、性格を想像し、察していく。
何気ない会話のようで示唆的なものもあれば、
感情の機微、微妙なズレを見つけたり。
だから少しずつ受け取るものや印象は
観ている人によって異なってくるだろう。

先輩たちは、男性に対し
それぞれ彼女たちらしい姿勢で毅然と接する。
旧友は対峙するシーンさえないが
彼女なりの考えは明確だ。

次第にガミにも変化の波が表れる。
2人目の先輩へかける言葉、この感じ既視感あるわ~(笑)
彼女の男性たちへの反応。

ラスト・シークエンスは映画を観る人には共感できるところあるのではないかな。既視感再び。
逃げた女。タイトルの意味。


行間を読ませるような映画久しぶりに観た気がして、ちょっと気持ちいい。
でも個人的に美的感覚というか映像とか、ちょっと合わないところがあって…
オシャレらしいマンションも全然わからないしなぁ
というのもスコアに加味。

愛する人とは何があっても一緒にいるべき。
監督と彼女のことかもしれないし
これは色々過る。

公私を共にするパートナー。
不倫関係とも言うが。
時間が長いほど、それもいかようにも取れる。みたいなね。


2021レビュー#120
2021鑑賞No.237/劇場鑑賞#28


行ける日また限られそうなので、映画館行っちゃった~(笑)
空海花

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