がんがん

魚座どうしのがんがんのレビュー・感想・評価

魚座どうし(2020年製作の映画)
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この生きづらい世の中で…

わたしたちは皆、水槽の中で生きている、いや生かされている。水槽の中でしか生きられない金魚のように。

水槽とはそれは、社会の檻かもしれないし、人間関係かもしれないし、見えないルールかもしれない。

セリフでほとんど説明せず、演出やカメラワークで雄弁に語るこのスタイルはかなり大好物でした。冒頭とエンドロールのサックスの音色以外劇伴もないので、安直に観客の感情を高めようとせずに、丁寧な見せ方でのみ勝負するスタイルも非常に好感です。

体育の授業で列を作らされて、大縄跳びをハイ!ハイ!ハイ!と強制的に飛ばされる。縄に引っかかって飛べない生徒は、先生からなぜ飛べないのかと責められる。集団心理の圧力、優劣の管理、社会ルールや常識の押し付け、ここに今の社会の生きづらさが集約されてて、すごいなこの監督さんのセンスオブワンダーは桁違いだなぁ、と思いました…

希望とも絶望ともどちらにも取れるラストのボーイミーツガール。たった30分のショートフィルムに心が揺さぶられました。



「若手映画作家育成プロジェクト」
 コレクション2-44から鑑賞できます。

https://www.netflix.com/title/80203331?s=i&trkid=13747225


この監督の初監督作品「あみこ」を観たいんですけど手段が無いんですよね…配信もレンタルもないようで。Netflixさん、あみこもぜひ配信頼みます!
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