伝統文化のゆく道
淡々とドキュメンタリーの様に進むストーリー。演技も自然というか、演技をしていない普通の会話を流している様な感じで、アイヌの現状を客観的に見る様な作品でした。
演技を観せる所でも、ドキュメンタリー的なシーンから自然な流れで演じられていて、自然とストーリーに引き込まれました。主人公の少年の反抗期的な演技がありながらも、友人と演技じゃ無い様なシーンも違和感なくとても素晴らしいと思いました。
伝統文化の衰退を描いていると思いますが、現代的な倫理観の問題以外にも難しくなっていく様子が沢山描かれていて、その中で思春期の少年の感情を丁寧に描いています。
観ている方も沢山の思いが湧き立ち、考えさせられる内容でした。現代において、アイヌに限らず!沢山の伝統がなくなっていっています。除夜の鐘がなくなっていったり、篝火がLEDライトになったり、「もっと効率的に」「そんな物必要ない」「現代に合わない」「コスパが悪い」「なんの意味があるの?」などなど
勿論、今あるお祭りなど伝統文化だって100年くらいの物が多いし変わってきた物で、どんな伝統も姿を変えていっている物ですし、絶対ではないですが、それぞれの人の想いをどう感じ伝えていくかは大事なんではないでしょうか。
少年に失われていく文化を人々の想いは継承していく。そんなストーリーと感じました。