SRKEN

流浪の月のSRKENのネタバレレビュー・内容・結末

流浪の月(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

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ストーリーは、初見で単純なオチを想像して観ていたのですが、何度も引っ掛かりが出て来て、佐伯文の謎めいた雰囲気を紐解いていくのであったり、更紗の感情の揺さぶりなどで引き込まれてしまいました。
ベッドシーンやDVシーンは少し助長と感じてしまいましたが、性にまつわる話が核にある以上描かざる得ないのかなとも思いましたし、性被害を受けた人の心情もあったかもしれません。
もし更紗が喫茶店に行かなかったら、それぞれの少し騙した生活を送り2人は幸せだったのか?
世の中は全て必然なので出会って正解なのでしょうが、世界の殆どは少し我慢して少し妥協して、少し諦めて生きていくもので妥協なく選んだ結末はハッピーエンドですね。
クライマックスが沢山ある映画で、詩の朗読シーンはグッと来ました。文の心情がまさに描かれていて1つのクライマックスでした。

ちょっと勘違いなのかも知れないのですが、主人公はロリコンでなく、成長の障害がある で良いのでしょうか? 振り返りで連れ去り時の「ウチ来る?」の映像の前に母親とのすれ違いのやりとりが入っていたので、少女に性的でなく共感を感じての連れ去りになったという事ですか?
そうであれば、"死んでも知られたく無い"障害の事を隠すために、誘拐や恋愛など全てに"ロリコン"と言う嘘を付いていた。と言う事なんでしょうか。ロリコンと思われた方が良かったんですね。
少女時代に口を拭うシーンで恋愛感情を抱き、まあ、ロリコンですがね。ラストでのリフレインで大人の更紗にロリコンなどと言う物でなく個人として愛情がある事が分かる綺麗なラストだったと思います。
ただ、核になる障害の秘密が分かりにくいし、理解もし難いので感情移入は少なめだったかも知れません。

とにかく、俳優陣の演技が素晴らしかった。
広瀬すずさんは、自身のキャラが強くなってしまっているのにも関わらず完璧に更紗になっていました。表情1つで背景を演じて、ストーリーに集中でき感情移入して観れました。
横浜流星さんも良かったですね。糞野郎を演じているものの見事に悲壮感や弱さも同時に演じれていました。良い役者ですね。
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