前髪メガネ

青くて痛くて脆いの前髪メガネのレビュー・感想・評価

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)
3.4
所謂"大学生"が嫌いな自分ですが、これは中々笑えました。
意識高い系と揶揄される大学生サークルをぶっ潰すという内容にワクワクしていましたが、そのターゲットの気持ち悪さを上回る程の吉沢亮演じる楓の独り善がりの被害者面メンヘラ具合!
結構序盤から あ、これ嘘ついてるな。とわかったのでもう発言が全部面白くて。
幸い映画館が自分だけの貸切状態だったので普通に笑いながら見られました。
杉咲花演じる秋好のキャラクターや思考が生理的に無理なのに、加えてテンの無理すぎるキャラクターが登場してきたことにより、楓が壊れていくにつれ「もっとやれ!ぶっ壊せ!めちゃくちゃにしたれ!」と楓を強く応援しました。
ああいった人種って揶揄されやすいからかその面をうまく表現していたなぁと思いながら、そっち側の人間はどういう感想を覚えるのか気になった。思想が強くなりすぎると宗教の様になってしまうものだけど、内側からはその認識が出来ないものだと思うので自分とは切り離し"フィクション"として楽しむのですかね。
サークルやテンに接触するうちに考えが変わる人間模様もリアルで面白い。単純に善と悪ではないけど、自分側の人間が彼方に渡ってしまった事で裏切られた様な気持ちになったり、逆に渡った側からの印象もちゃんと描かれている様に感じられた。
ストーリーも色々人を巻き込みながらも結局は楓と秋好にしかスポットがあたらないのも楓視点で作られているからこそ、他がどうなったとかを観ている側にあえて伝えないのも良かった。ただカメラワークはなんかちょっと好きになれなかったなぁ。色遣いの変化とかは面白かったけど。あと台詞回しも小説っぽくてそこはもうちょい上手く映画にしてほしかったなぁ。川原役の人は演技下手だなぁと思ったらモデルさんなんですね。しかも16歳とか!大人っぽかった。

あと今注目してる女優の松本穂香の演技力にまたしても圧倒。。ふらふらっとした幽霊部員のポンをしっかり演じてて脇役でもその存在感を邪魔せずされどしっかりと残していたように感じられた…
前髪メガネ

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