写真屋の孤独な中年男性と、自由奔放なインスタグラマーの若い女性が出会い、一緒に住みながら写真を撮って加工してを繰り返す不思議な関係。
男はキムギドクの映画並に一言も喋らない演出。
女の台詞は後入れなのもあり、映画に漂う空気感は昭和っぽい。
なのに、ストーリーはSNSでの承認欲求と写真加工での偽りの自分というばりばりの現代。そのギャップがわりと面白い。
インスタグラマーと言っても、フォロワー300人強程度の微妙さが絶妙に現代病っぽい。まじでたくさんいそう。
でもね、例えば反応が100から10に減ったとしても「誰も私に興味ない」と悲観するのは本当によろしくない。
その10人の気持ちを踏みにじることになる。
自分の写真が誰かの生きがいになってるかもしれない。
言ってしまえば、女の存在は孤独な中年男にとっての“生きがい”になっている。
例え承認欲求を満たすコマだとしても、メスに食われるオスカマキリのごとく自分の身を捧げる。