シュンゴ

スカイ・クロラ The Sky Crawlersのシュンゴのレビュー・感想・評価

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新潟国際アニメーション映画祭
押井守トークイベント 備忘

■スカイクロラの自己評価
・自作の中で最も気に入っていると同時に異色作。他の作品は現実の社会的事象(テロ、クーデター等)に接続するものが多いため。また、他作品はおっさんばっかり出てくるため。

■押井監督作品にしては台詞が少なめでは?
・キルドレ達の物語を描くにあたり、ドラマだけでは無く、表現としても「時間」というテーマに注力した。
・アニメで時間を経過させるのは難しい。実写で役者が動かず座っていても時間は流れるがアニメで動きがなければただの一枚の絵。
・会話、アクション、ドラマが流れている最中は時間は動いていない
・自分が脚本を書いたら喋らせすぎてしまう。だから実写畑の脚本家(伊藤ちひろ氏、行定勲作品常連)にお願いした。
・キルドレ達の永遠の待機(モラトリアム)の時間を表現するために。

■動きのこだわり
・アニメにおけるキャラの動き、芝居は現実には存在しない。フィクションなもの。
・モーションキャプチャーを使えば精細な動きの表現(再現)ができるが、どうしてもアクターの生理的な運動が見えてしまい、その奥にある現実の生活までもが想起されてしまうため手練れのアニメーターによる細やかな表現が必要。
・そういった非常に微妙なアニメの芝居、動きを表現できるアニメーターは今日本に10名程しかおらず、そのうち4人くらい本作に関わっている。
・その10人で日本のアニメは保ってる
・ワルシャワの夜のシーン(ボウリング〜駐車場でのキス)は会心の出来。フーコがタバコに火をつけるシーンも情感ある素晴らしい作画

■新聞のシーン
・実際に読売新聞社に刷ってもらってそれをスキャンした。つまり使われているのは本物の新聞。記事も全て読める筈。