シュンゴ

THE FIRST SLAM DUNKのシュンゴのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
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後ろの席にずっとおしゃべりしくさるヤンキーカップルがいたので、静かにしろい…と唱えながら観てました。


ドラマの軸が原作のラインと今回オリジナルのラインで二つ交錯して走ってたので、ラストにむけてシンプルに感情のボルテージが上がっていく形ではなく、悪くいうとカタルシスへの繋ぎには構成上ブレがあった。
それと演出としてはちょっと間延びに感じる部分があったり。試合シーンがタイトなこともあり、あの名場面この名場面をどう盛りつけていくんだろう、という目線で見てしまっていた。
それ故に生じる感情的コンプリート欲求とのズレというか。
漫画と映画では時間の取り扱い方に大きな違いがある。


でも、それを補って余りあるほどに技術的完成度が高い。
特に音響周り、バースデイと10-FEETの曲のスネア音とシンクロしていくかのようなドリブルの音や足音のビート感であったり、日常シーンのこまい部分まで彩られた緻密なフォーリーによって、試合シーンと回想シーンの情動が協奏していくような感じ。

アニメ部分については、序盤ちょっと人形っぽさが気になってしまったけど、山王のコピペ応援団が挟まったあたりから徐々に対比的に肉体感が強まり、試合シーンからはその躍動っぷりとこれ以上無いレイアウトでもう何も言うこと無くなりました。


声優関連で色々と言われてたし、不満違和感を覚えるひともきっと多々いるのだろうけど、
個人的には、ただノスタルジーに回収されてしまうような作りになっていなくて本当によかったな と思った。