のほほんさん

マッド・ハウスののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

マッド・ハウス(2019年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

親から逃げるようにしてLAに出てきた女性が入居したのは、タイトルの通りマッドなハウスだった…。

観ていて思い出したのは「ミッドサマー」と(映画版は未見だけど)「砂の女」。
成り行きから奇妙な共同体の中に取り込まれ、そこへの同化を迫られる理不尽。


しかし本作でユニークだったのは、舞台が人里離れた場所ではなくてLAという大都会であること。
「マルホランド・ドライブ」「アンダー・ザ・シルバーレイク」から察するに、LAというところは一種の魔界みたいな場所なのだろうか?

もう一つ面白かったのは、主人公がその理不尽さに屈して同化してしまう結末、となるのではなくて、途中から主人公が「共同体側の人間」になること。
ミイラ取りがミイラになり、そして次のミイラを呼び寄せる。


気の利いたラストも良い。
父から離れて新たな家族を得た主人公が、再び家族から離れるために走り出す。
絶望感の強い船出だけに、主人公の後ろ姿にエールを送りたくなります。