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河豚のkeinoshinのネタバレレビュー・内容・結末

河豚(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

台湾巨匠傑作選2020の江口洋子スペシャルセレクションにて🇹🇼

【あらすじ】
恋人に裏切られたエレベーターガール・ズンは、彼が飼っている河豚をネットオークションで売る。買手に届けるために訪れた東部の田舎で、心の傷を埋めるために初めて会った男(少年野球のコーチ)と激しく身体を求めあい、やがて…。『盗命師』のリー・チーユエン監督による、都会で暮らす孤独な女性と、東部の田舎で暮らす青年の愛と喪失、再生の物語。

【感想】
序盤で出会って間もない2人がセックスするシーンがあって、しかもそれがやけに生々しい上に立て続けに何回も挿入されるもんだから「なんか想像してたのと違うかも…」って思ってゲンナリした。
ただ、その後多少の諍いもありながら、同じ家で共に時間を過ごす中で心を閉ざしてたコーチ(妻がトラック野郎と浮気して出て行った)が、段々と喪失感から立ち直ってズンに心を開いていく姿の描き方がよかった。特に、それまで全くズンに関心を持ってなかったコーチが初めて「君の名前は?君の名前が知りたい」と言ったシーンが特に印象に残ってる。(ちなみに何故かズンはコーチに名前を聞き返さないので、コーチの名前は不明なまま)

浮気の末、家を出て行ったコーチの妻・リウホアもよかった。ある日急に戻ってきて「あの頃の二人に戻りたい」って復縁を試みるもコーチに断られてまた出て行くんだけど、普通なら「何バカなこと言ってんだ!」ってなるところが、演じてる女優さんが健康的な肉体をしてるからか全然悲壮感がなくて、なんか「リウホアも強く生きて幸せになってね!」って応援したくなった。

キャラクターも魅力的だし、花蓮の風景も本当に素晴らしくて、観れてよかったと心底思った。また観たい。
可能なら日本版のDVD発売して欲しい。
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