まーしー

ホテルローヤルのまーしーのレビュー・感想・評価

ホテルローヤル(2020年製作の映画)
2.5
釧路郊外に建つ1軒のラブホテル。その名もホテル・ローヤル。
このホテルを舞台に、訪れる客や働くスタッフの人間模様を描いた作品。

が、思いのほか、淡泊だった印象。
まず、登場する客は、中年夫婦と教師・高校生の2組だけ。しかも、その2組の背景描写も控えめだった。
続いて、ホテル側。オーナーの娘やパートの中年女性、アダルトグッズの営業マンなどが登場。こちらも比較的あっさり。
特に、ヒロインとも言うべきオーナーの娘(波瑠)の成長が乏しい。大学進学を諦め、ホテルで働くことになったものの、その後の変化が見えにくい。
強いて言えば、話すのも苦手な彼女が、漏れ聞こえる客の喘ぎ声を聞いたり、アメニティの使い方を客に説明したりしたところだろうか。

というわけで、ホテルで織り成される人間ドラマはインパクト弱め。
また、ホテルで起こる事件も深堀りされない。
そのままエンドロールを迎え、訴えたかった内容が最後まではっきりしなかった。波瑠や松山ケンイチ、伊藤沙莉など、出演者の顔ぶれが豪華なだけに惜しい。

評価すべき点は、レトロな雰囲気が漂う舞台とBGM。タイムスリップしたかのような錯覚に陥り、逆に新鮮さを感じた。
また、必要かどうか解らない冒頭シーンで、いきなりヌードを披露した冨手麻妙の体当たり演技にも加点。