イチロヲ

宇宙大戦争のイチロヲのレビュー・感想・評価

宇宙大戦争(1959年製作の映画)
4.0
地球の植民地支配を企むナタール人を撃退するべく、選りすぐりの宇宙飛行士たち(池部良、安西郷子、土屋嘉男など)が月面へと飛び立つ。国際連合軍と地球侵略者の抗争を描いている、東宝特撮映画。

本作では、NASAのアポロ計画に先んじて、月面探索を描写。飛行士が月面をフツーに歩いているが、力加減を工夫しないとピョーンと飛び上がってしまうことに言及している。宇宙空間を舞台にした戦闘シーンも迫力があり、夢と希望とロマンに満ち溢れている。

小松崎茂デザインの宇宙船と月面探査車が映像内で動いているだけで、形容できないほどの多幸感に包まれる。大きな頭をフラフラさせながら走ってくるナタール人に愛着が湧くし、反重力エネルギーにより建造物が放り上げられていく特撮もまた素晴らしい。

洗脳されたインド人がカタコトで発する、「チキューはナタールの植民地になるのらー!」に一喜一憂しながら、レトロ・フューチャーの極北を楽しむべし。荒唐無稽なシナリオ展開に身を委ねるスタイルこそが、大人の嗜みというもの。
イチロヲ

イチロヲ