カズナリマン

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのカズナリマンのレビュー・感想・評価

3.9
オモロ!でも予告はネタバレしてるので無視で!

Netflixで大評判のハイスクール手紙代筆もの!
なんでしょ、秘密のラブレターものってイマイチなモノが少ない気がします。
それは後半必ず訪れる「差出人判明」というサプライズと、その後の「嘘の名誉挽回的行動→嘘つかれた側の理解」へとつながるカタルシスがかなりのお約束であっても満足度高いものになるからなんでしょーか!
そんな秘密のラブレターもの(シラノデベルジュラックもLove Letterも愛しのロクサーヌもLove,サイモン…一番オススメ!)の類に違わず、Netflix限定公開の本作(もったいない!)もなかなかの傑作でした!

●一応ストーリー
口下手なアメフト部補欠男子、ポールに学園のマドンナ的憧れ美女、アスターへのラブレター代筆を頼まれたガリ勉中華系女子エリー・チュウ。
最初はお金のために代筆しているエリーだったが、実は読書家でアートにも明るいアスターとのラブレター交換をしだいに楽しみ始め、ポールとの間にも友情以上の絆が芽生えていくのだが…

往年のラブレター代筆ものとは一線を画した、2020年代ならではの味付けもあるものの、本作の魅力は音楽や映像のテンポに頼らない、手紙映画らしい「言葉」を通してのコミュニケーション描写でしょうか?
もちろん、メールなどもでてきますが、それさえ、手紙交換のような趣というか、意味がのった、良い意味でとってもスローでムードのなるシーンになっており、まことに心地いい!
すべてはエリー(美人にメガネで無理やり非モテを演出するというここも往年テク!)のキャラがしっかり描けているからなのですが、Netflixらしい、スター器用完全無視な若手実力派キャスティングに負うところもあるでしょう。
学園のマドンナにせよ、代筆を頼むポールにせよ、美女過ぎない!ダメンズ過ぎない!ところが、まことにリアルで想像力を刺激されるんだなぁー。
とはいえ、ハイスクールものだし、アメリカ田舎ものだし、カサブランカ鑑賞モノだし、あるあるな展開も目白押し!フットボールも、ハイスクール発表会も、友達の家でのパーティも、サブカル系映画ネタも、4WD「泥の王」シーンもでてきます。
でも、そのどれもが丁寧に描かれ、嘘過ぎない!←これハイスクールものに大事!

中でも、ラストシーンは良かったですねぇーー。この映画、伏線っぽいものが多過ぎて、すっかり忘れてました、あのネタ!
もっと長かったら泣いてたかもしれませんねーー。でもそんな「泣き」が似合う映画でもないし、あれでちょーど良かったと思います!
映画のメッセージにもきちんと結びついてたし.

しみじみイイラブストーリーを求めている方にぜひオススメしたい一作です!