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オールデイ・アンド・ア・ナイト: 終身刑となった僕のolnのレビュー・感想・評価

4.0
あー、これ大好き。
くすぶってるラッパーが主人公だったら、何でも好きかもしれません笑

ジャーのラップとトラックも、悪くはないんですが、コレをApple Musicで見つけても、たぶん聴き流して終わりだなーと思います。くすぶっている表現が絶妙です。

物語は幼少期、収監前の事件、収監後の3つの時間軸が交錯します。
話の時間軸がちょこちょこ移動するので、複雑に感じるかもしれませんが、起きていることは至ってシンプル。プッシャーが、縄張り争いをしている話です。

全ての時間軸で、「なんかもう、上手くいかねえなー」という現実を見せられます。
ラマークのエピソードは、その象徴なのでしょう。こいつは何も間違ったことをしていないのに!という感情が爆発して、ジャーの制御装置がぶっ壊れます。

ただ、俺にとってのラマークは、ただのモブだったので、もう少し感情移入させてくれれば、作品が一層味わい深くなるんじゃないかなと思いました。

最後は成る程、そう繋がるのかという展開。そこからのオチもバッチリ好みでした。
救われない中での、精一杯の救い。ちょっぴりほっこりエンディングです。

観ようと思っている方向けの補足ですが、アメリカの人種差別、貧困、ドラッグ文化をある程度理解しておかないと、少しハードルが高い作品かもしれません。
少なくとも、大麻は薬物にカテゴライズされないことを理解していないと、ジャーの線引きに混乱してしまいます。

日本でも、大麻は大麻取締法。覚醒剤やコカインなんかは麻薬及び向精神薬取締法なので、大麻とドラッグは別物です。
ヒップホップを聴いていなかったら、きっと一緒くたに認識していたことでしょう笑

Jah Nigga.
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