ラストでBLACK LIVES MATTERが出てきてびっくりしました。
12日に配信されたばかりの新作に、リアルタイムでこれを差し込むなんて、すごいなスパイク・リー監督のフットワーク!!
なんて思っていたら、勘違い…恥ずかしい…
BLACK LIVES MATTERの抗議運動は2013年からスタートしていたのですね。てっきりジョージ・フロイド氏の件で発生した運動だとばかり思っていました。
2013年、フロリダ州にてトレイボン・マーティンという黒人少年が白人警官に射殺された事件から発生したとのこと。
無知な自分が恥ずかしい…
黒人目線のベトナム戦争=アメリカ戦争。
監督が企画を持ち込んでも大手スタジオからは断られて、Netflixだけが受けてくれたそうです。
こんな作品売れないのはわかっている。大手スタジオは興収判断的に断ったのは賢明だと思います。現に今時点でFilmarksにも144人しかmarkしていません。
それでもNetflixが監督の企画を受け止めて、多額の資金を投資したのは本当にすごいと思います。
Netflixって全然儲かってなくて、2015年以降実はずっと赤字で。売れる作品ではなく、多くの人に届けるべき作品を製作する。そのため作品にはどんどん投資する。2019年はコンテンツ製作費に1兆6800億円も投じているようです。
しかしそれが自社の財産となる。今は素晴らしい作品を作る時期である、というNetflixの会社精神そのものだと思いました。
劇場公開も予定しているとのこと。銃撃戦なんかはぜひスクリーンで観たいくらいの迫力。地雷の音も映画館の音響で聴いたら凄まじいと思います。
チャドウィック・ボーズマンがまさにブラックパンサーの陛下のごとくリーダー性にあふれ、戦場で自分の命を預けられるようなカリスマ性がありました。
シビルウォーでも暴力を赦したように、本作でもまた赦す姿に胸が詰まります。
ポール・ウォルター・ハウザーがいるだけで、画面に独特の空気感があるのなんなんだろう。
トータル5分も出てなかったと思うけど、すごい存在感でした。
赤い帽子を被ったジャン・レノは完全にトランプ氏そのもので、役作りのために体重を増やしたのかなぁ。
レオンのように牛乳を飲むようなお茶目な役柄もいいけど、こういう小物感あふれる敵キャラの役柄もほんと似合う人だと思う。
ベトナム戦争の映画といえば地獄の黙示録。
本作でもタイトルがDJブースの背景に掲げられたり、ワルキューレが流れたりhorror…horror…のセリフが出てきたりとオマージュされていました。
過去の戦争のシーンは4:3サイズ。現在のシーンはシネスコサイズ。今起きているベトナムでのシーンはビスタサイズ。
画角によって時系列を分けていて面白い演出でした。
ブラック・クランズマン同様に大量のフッテージは自分が無知のため、ほとんどバックボーンがわからない…ただ監督の熱い想いはひしひしと伝わってくる…
キング牧師とマルコムXも名前だけで、具体的に何をした人なのか知らない。ちゃんと調べてみよう。
最後に、邦題を考えよう委員会として一言…
DA PUMPはダパンプなのだから、本作の邦題もダ・ファイブ・ブラッズじゃないのかー!
黒人のスラングへの敬意を込めて…ザじゃくて、ダと表記した方がいいと思います!