記録

• #sion2025

同じ飛行機にたまたま乗り合わせた男女4人。交流を深めるも事故で3人が亡くなり、唯一生き残った弁護士の男がそれぞれの遺族を訪ねるヒューマンドラマ。主人公の弁護士を演じるのはゲイリー・メリルで、彼の妻でもあったベティ・デイヴィスも出演。

まず訪れたのは医師だった男の遺族（訪れると家出していた息子があまり展開に影響を及ぼしてないのが少し残念）。医師はアル中で飲酒運転の末友人である同乗者らを死なせてしまった過去を持ち、警察には友人が運転していたという嘘の報告をしていたのですが、生前は弁護士の前で罪悪感に苛まれ苦しんでいることを告白。罪から逃れたのは事実ながら、本当の悪い人間ならば苦しんでないという言葉が印象的。

次に訪れたのはダンサー兼歌手だった女性の遺族。彼女には元歌手でクラブ経営の姑がおり、生前の話では女性が立場が弱い印象と思いきや姑の口からはむしろ女性の方が威張っており、立場が上だったという話が。弁護士はここで「きれいな嘘」をついて女性をフォロー＆姑の義理の娘に対する印象を変えるのですが、正直フォローする理由が弱い気がしたものの姑の話で描かれる回想では姑はさも自分自身を「義理の娘に理解を示すも雑に扱われるかわいそうな人」にも捉えられる風に描いているのでお互い様、という印象もあるし弁護士の話を嘘と知りつつも受け入れていた女性の夫の優しさがしみる感じ。

最後はチャラくてお調子者だったセールスマンの遺族。訪れた家にはベティ演じる寝たきりの妻がいるわけですが、そうなったのは浮気性の夫に嫌気が差し別の男と逃走を図るも、途中で起きた事故が原因。結果男にも逃げられるわけですが、妻が悪い意味で「変わっても」良い意味で「変わらなかった」夫の愛や優しさが胸を打ちます。

これらの出会いを通じて色々学んだ弁護士は浮気をしたことで愛想を尽かしていた妻に電話。ここも正直心変わりするきっかけが弱い気がしましたが、それぞれの人間が持つそれぞれの優しさが心に響くものになっており、よく考えれば粗がある内容ながら満足度は高めでこのスコアとなりました。

アマゾンプライムの字幕は意味不明なものもかなり混じっており、観る時は注意です！

空港で出会った男女4人が搭乗した飛行機が墜落。
生き残ったゲイリー・メリルが3人の遺族を訪問する話。
夫婦や親子の物語で、ジャケットから窺えるようなサスペンス要素は全くない。
ベティ・デイヴィスは、後遺症を抱える妻役として最後に登場。
『イヴの総て』の後では老けた印象が強い。