ぬーたん

グローリーのぬーたんのレビュー・感想・評価

グローリー(1989年製作の映画)
4.1
1989年公開で30年前だが初見。1862年アメリカ南北戦争で初の黒人部隊が結成される。この黒人部隊を描いた実話ベースだ。
部隊の隊長は白人だ。しかも若い。奴隷解放運動家の父の力で得た地位のため、とても若い。このショー大佐をマシュー・ブロデリックが演じている。若くて何とも頼りない。軍服も似合わない。そしてこのマシュー、この時代の作品『トーチング~』『ファミリー~』でも印象薄い。実生活の奥様はかなり目立っているが😅
むしろもう一人の白人で友人、部隊の副官であるフォーブス少佐の方が冷静で人間的でしっかりしてる感じ。ケイリー・エルウィスが演じたがのちの『ソウ』のドクター・ゴードン役が良かった。
同じく友人で黒人のトーマスはアンドレ・ブラウアー。今作がスクリーンデビューだが良かった。
隊員である、トリップにデンゼル・ワシントン。34歳位。
同じく隊員でその後曹長に昇進するローリンズにモーガン・フリーマン。51歳位。
この2人が、どの場面でも主役であるマシューは勿論、他を完全に食ってしまい、この2人の表情や言動、その演技に釘付けとなる。
アカデミー賞に納得のデンゼルの凄い迫力。ムチ打たれる時のあの表情と目力!そしてモーガンは相変わらずの正統派でリーダーで情が深い役で、ぴったり。
黒人部隊は先ず身内からの差別にあう。白人とは給料も支給品も差別され罵声を浴びせられ、同じ味方とは思えない。
(リンカーンの言動が気になった。次はリンカーンの映画を観ようと思った。)
最初は若い隊長に部隊を統率出来るわけもなく、敵対するがあることをきっかけに信頼関係になる、そこはマシューも頑張った!内部の絆が深くなり前線での戦いを希望するように。その辺りのエピソードの描き方も、流れ良く上手かった。
そしてクライマックスはワグナー要塞への先陣。その前夜、彼らは火を囲みながら語り笑い、共に歌う。そこには一体となった彼らが、明日は命が散るかもしれないという覚悟と様々な想いが溢れていて、何とも切ない。歌を聴きつつ、泣けて来るよ😢なんて良いシーンだろう!
クライマックスの戦闘シーン、カメラが追う彼らの気合と迫力と。
そのラストに胸が締め付けられた。
ラストも事実に基づく。
とにかく、この今も大活躍のデンゼルとモーガンの力ある演技に突き動かされた良作。30年観なかった事を後悔するが、今観れて良かった。
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