サヨ

哀愁しんでれらのサヨのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.1

“母親”に対する理想像が明確にあった小春が児童相談所で働く者として他人の家庭環境や母親に対して失格の烙印を押す側から、ひかりと接していく中で母親失格とされる立場に。以前は冷静に判断できていた善悪も、家族としての幸せを追い求める中で判断も思考も狂いはじめていく。

印象的だったのが結婚後の小春に友人がかけた、このセリフ。
“王子様はシンデレラの足のサイズしか知らないのに結婚して大丈夫?“
灰かぶり姫の名前にふさわしいシンデレラストーリーを駆け上がった小春の将来の不安と不明瞭さを表した良いシーンだと思った。ミントを齧るのをやめられないところも含めて。

とにかく子役のCOCOちゃんが素晴らしかった!!ココちゃんは幼い時からファッションのインフルエンサーとして有名でしたが、子役としてこんなに素敵な演技もできると知ってびっくり。キュートでかわいい印象から、子供が持つ残酷で狡賢い部分の二面性の演じ分けが上手でドラマや映画での活躍が楽しみになりました。

オチの付け方としては後味の悪い最高の終わり方だったのですが、途中の指輪の場所の伏線だったり家の荒らされ方の不自然さだったり気になる部分や場面の繋がりとして不自然な部分も多くモヤッとした所が多く残るのが残念でした。
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