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ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜のMASHのレビュー・感想・評価

3.0
ウィル・フェレルの最新作。コメディの一時代を気づいた彼だが、ここ最近の彼の映画はあまり評価が良いとは言えなかった。しかし、今作は昔の彼の作品とまでは言わないまでも、うまく方向転換したにではないだろうか。正直弱い部分はあるが、楽しめる作品ではあると思う。

ユーロビジョンという実際にある歌合戦をテーマにした今作。その独特のセンスと熱狂っぷりを小馬鹿にしつつも、やっぱり愛やそれを愛する人たちを忘れないコメディセンス。『俺たちフィギュアスケーター』や『タラデガ・ナイト』を彷彿とさせるウィル・フェレルらしさ。

だが、逆にウィル・フェレル以外の要素があまりに弱い。ユーロビジョンへのリスペクトは伝わるが、それぞれのパフォーマンスのクオリティが高すぎて別に笑えない。そして何より他のキャラが何も笑わせようとしてこないのだ。特にレイチェル・マクアダムス。彼女は非常に笑える演技ができる女優なのに、ここでは大した台詞を貰えていない。ウィル・フェレルが抑え目の分、もっと彼女に笑いのフォーカスを当ててもよかったのでは?

笑って泣ける作品を目指したのだろうが、笑いが弱い分だけ泣ける部分も弱くなってしまっている。ウィル・フェレルとピアース・ブロスナンの親子関係とか特にもっと面白く、なおかつ感動できるものにできた気がする。歌のシーンは楽しいし、ストーリーはベタベタだがそれが逆に可愛らしくもある。ただやっぱりもっと笑える作品にして欲しかったかな。ただ、ウィル・フェレル復活の兆しが見えたという意味では嬉しくなる。次こそ腹を抱えて笑える作品を!
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