このレビューはネタバレを含みます
前情報を何も見ていなかったのでヤクザと憲法のような半ばドキュメンタリーかと思っていたら全く違った
まず開始5秒くらいで映像の美しさに驚いた。ドローンや海中カメラなど色々と使っているが、人物を描くときのすこし揺れるカメラと空や風景、工場地帯の煙の鮮明な映像の対比、切り替えが良くて引き込まれる
劇中、集まって酒を飲むシーンがいくつかあるが99年の親子の誓いの杯、05年の若頭昇進祝いのクラブでの酒、19年出所祝いでのビール、それぞれがその当時のヤクザのイメージを表しているようでよかった。
任侠の義理堅いイメージ、風俗街を仕切っているかのような華やかさから年老いた組員数人と眼鏡のおとなしそうな若い男の子たちの、福祉からも社会からも切り離されそこでしか生きられない人たちの集まりになってしまった、栄枯盛衰が感じられた。
終盤、ネットでの噂の広がりの描き方等若干不自然に感じられる点はあったが、カットの切り替えや話の転換のスピード感がよく、また終始画面の描き方が美しかったのもありそれほど気にならなかった
