たひ

シチリア・サマーのたひのネタバレレビュー・内容・結末

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

1980年代のシチリア、家父長制とカトリック色が未だに色濃く残っているイタリアでも田舎の方の地域で同性愛者だと知れてしまったらこうなるだろうな、という予測はしていた。
この映画に対する事前知識はなかったが、死ぬか破滅するかだろうな……と思いながら鑑賞していた。終盤、案外ハッピーエンドに至りそうでこのまま平和に終わるのか……?と思ったら本当に最後の最後で叩き落とされました。感情の上げ下げがうまい。銃声で始まり銃声に終わる構成も良かった。
最後銃を撃ったのが誰だったのか、彼らはどうなったのか、描かれずに実際の事件の顛末だけ文字情報で与えられるのは、事件そのものを映画的に描くというよりも不寛容に対する問いかけなのかな、と。
実際の事件では銃を撃ったのは甥であり、トトの視線や、ウサギを撃てるようになったこと、ジャンニと別れたニーノにたいしてまた遊べるようになる?と聞いていたこと、細かい描写が散りばめられていだことに納得。
イタリアの風景、人、主人公たちふたりの美しさ等、映像はすべて素晴らしかったです。
たひ

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