ろ

トッツィーのろのレビュー・感想・評価

トッツィー(1982年製作の映画)
4.0
「20年待って やっと仕事をつかんだら、今度は何も言えない。力のあるやつの言いなりになるしかないんだ」


大好きなダスティンホフマン主演の映画!
久しぶりに鑑賞したので再レビュー!


完璧主義で もめ事を起こしすぎる役者マイケルは、その性格が災いし どこにも雇ってもらえない。友人の舞台資金を集めるために彼は女装してオーディションを受けることに。見事受かったマイケルは、”強い女性”を演じ、一躍人気者になるが...。


女性になりきるマイケルの姿が面白い!
そして、バレるんじゃないかというハラハラ感も楽しめます。

特に下着を上げる仕草や、急いで歩いていてコケそうになるところは女性らしくて、「これ、本当にダスティンホフマン?」と不思議な気持ちになります。
そうかと思えば、男らしさが出ちゃう場面も。
タクシーの順番抜かしをした男性を全力で引きずり降ろすところは何回観ても笑えちゃう。

そんなマイケルは、芯の通った女性として男性からも大人気(笑)共演者ジュリーのパパからプロポーズされたり、医院長役のジョンに襲われそうになったり(笑)
本気で気持ちを伝えてくる相手と引き気味のマイケル。
そのギャップが笑えます。


「私を抑えたければ精神でぶつかってらっしゃい!
くちびるはなしよ!」
マイケルが出演することになったテレビドラマ。
セクハラ、パワハラは当たり前、女性の立場が弱いという設定の物語でした。
そんな中、マイケルは男性に対し面と向かって意見する強い女性を演じます。彼の演技は世間の女性たちに勇気を与え、共演者のジュリーも影響されます。

「女にだって、どんな権利も認められなくちゃ」
「私だってもっとマシな生き方をしたいわ。このままで良いなんて思ってやしない」
男のマイケルが女性たちに希望を与えた。
この映画はただのコメディではないのです。
そこが今作の面白いところ。


美形でもなく(失礼)背が低いダスティンホフマン。
しかし、彼はその弱みを演技力で見事にカバーし、性格俳優として様々な映画に出演しています。
そんな彼だからこそ演じることができた役ではないかと思いました。

「演技は自分自身の人生だ。それになりきらなければ役を演じきることは出来ない」
ろ