てっぺい

キングダム2 遥かなる大地へのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【キング映画】
平原の圧倒的で説得力のある映像美。清野菜名の主役を凌駕するキレキレアクションと存在感。ポストクレジットに込み上げる絶頂のワクワク感。年間邦画興収トップだった前作を超えたという本作は、もはや邦画の“キング”の位置に鎮座する。

◆トリビア
〇前作「キングダム」は2019年の邦画実写作品で最高の興行収入57.3億円超を記録した。(https://kingdom-the-movie.jp/intro/index.html)
○ 逃げ込んだ洞穴で夜を明かすことになった信が、羌カイから素性を明かされるシーンは、原作者の原泰久が考案した映画オリジナル。(https://www.cinematoday.jp/news/N0131170)
○山崎賢人は乗馬の練習を100鞍(1鞍は40分〜1時間の乗馬練習の事)、4ヶ月間行った。(https://shueisha.online/entertainment/27797)
○大沢たかおは役作りで筋肉をつけすぎて、衣装の甲冑を2度作り直した。メイクも前作と違う。(https://www.tbsradio.jp/articles/56013/)
〇衣装や刀類、画コンテなどが展示される展示会が東京・銀座のソニーストアで8月18日(木)まで開催。全国5都市のソニーストア各店舗では、キャストとクリエイターが想いを語る「Beyond the SCENE 2.0」映像(ナレーションは吉沢亮)を公開する。(https://spice.eplus.jp/articles/305297)
〇山﨑賢人が初めて買ったアルバムは、本作の主題歌を務めるMr.Childrenだった。(https://toyokeizai.net/articles/-/603617?page=3)
○ 日本のスタッフは600人、中国は400人、計1000人が本作の製作に携わった。(https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202207150001144_m.html)

◆関連作品
○「キングダム」('19)
前作。2018年4月のコミックス第50巻達成を記念して実写映画化された。Hulu配信中。プライムビデオレンタル可。
○「キングダム」(コミックス)
各電子書籍アプリにて第1〜5巻無料配信中。映画前作は第1〜5、本作は第5〜7巻の内容が描かれる。

◆評価(2022年7月15日現在)
Filmarks:★×3.9
Yahoo!映画:★×3.9
映画.com:★×4.5

◆概要
原泰久の人気漫画を実写化した2019年公開の大ヒット映画「キングダム」の続編。原作の5巻から7巻の実写化。
【原作】
原泰久「キングダム」(2022年6月時点で累計発行部数9000万部を突破)
【監督】
「GANTZ」シリーズ 佐藤信介
【出演】
山崎賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、濱津隆之、真壁刀義、山本千尋、豊川悦司、高嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋努、渋川清彦、平山祐介、玉木宏、小澤征悦、佐藤浩市、大沢たかお
【公開】2022年7月15日
【上映時間】134分

◆ストーリー
紀元前、春秋戦国時代の秦。天下の大将軍を志す戦災孤児の少年・信(しん)は、弟のクーデターにより玉座を追われた若き王・えい政(えいせい)と運命的な出会いを果たし、河了貂(かりょうてん)や山の王・楊端和(ようたんわ)と協力しながら、えい政の玉座奪還に成功する。半年後、隣国・魏が秦への侵攻を開始。秦は国王えい政の号令の下、蛇甘(だかん)平原に軍を起こす。歩兵として戦場へ赴いた信は、同郷の尾兄弟や頼りない伍長・澤圭(たくけい)、子どものような風貌に哀しい目をたたえた謎の人物・羌かい(きょうかい)と共に、最弱の伍(五人組)を組むことに。戦略上有利とされる丘を魏軍に占拠され劣勢を強いられる中、信が配属された隊を指揮する縛虎申(ばくこしん)は、無謀とも思える突撃命令を下す。


◆以下ネタバレ


◆スケール
平原を行く何万人もの兵士たち。俯瞰の壮大な映像が多用され、前作よりもスケールの大きさが大幅アップ。合戦にリアルさと説得力が増していた。その何万の兵に囲まれた将軍同士の一騎打ちが、劇中でも語られた、兵を束ねる将軍2人のまさに“戦”の究極の構図。分かりやすい画作りがされていたし、その構図は冒頭とラストで中華全土の地図を見下ろす嬴政達の画にもどこか重なる。万の兵を束ねる将軍、それらを束ねて中華統一を目指す嬴政たち。何のための戦なのか、戦とは何なのかを分かりやすく描いていたと思う。

◆アクション
羌瘣万歳。清野菜名万歳。あれだけスピード感としなやかさと、どこか人間離れしたようなアクションはお見事。“トーントントン”からの敵を蹴散らす様には本当にシビれた。山崎賢人の剣を交えながらの手綱さばきもお見事だったけど、圧倒的に清野菜名のアクションが凌駕していたと思う。そんな羌瘣の“お前はまだ生きているじゃないか”に不意に涙を誘われるシーンもあり、存在感は抜群でした。

◆砂
戦車隊の強襲時に吹き荒れた砂嵐。蛇甘平原では常に砂埃にまみれた戦いだったし、冒頭の前作振り返りでは砂塵で過去映像を表現していた。“死んでいった仲間のむくろの橋を渡ってここまで来た”縛虎申のあのセリフのように、通して戦場の過酷さを表現する一つのキーアート的に砂が使われていたと思う。

◆ポストクレジット
次回作2023公開を明記したポストクレジットには、主題歌の歌詞のように“血がたぎる”ような期待感に包まれた。信が本作で百人将となり、ひとつずつ成長して成功していく過程をどんどん見たい。興収の初動が前作を上回ったという本作、原作65巻分の本作でまだ7巻程度ということで、いくらでも続くモンスター作品となる予感。早くも来年が楽しみです。

引用元
https://eiga.com/amp/movie/93235/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/キングダム2_遥かなる大地へ
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