予告編でメリルストリープの演技を見て「なんじゃこりゃ！？」と思い即レンタル。
メリルストリープの演技を見るために借りて、その野望は満たされました。
全身で演技をしているのですが、彼女の目の使い方、目を通しての表情の加減に脱帽です。目に輝き、潤いがある瞬間、若かりし頃政治に対して野心を抱き希望に向かっていく様。認知症を患い過去の記憶に取りつかれるときは乾いて虚ろな瞳。
隙がなく、本作でいうサッチャーを演じていると感じられました。
ちなみに本物のサッチャーは全く知りません。動いているところもしゃべっているところも見たことありません。
メリルストリープというか、メリルストリープに似た誰か別の人、この映画でいうサッチャー、という感じで完璧に演じられていました。
それが本物のサッチャーかという判断は私にはできませんし、それに伝記映画にそこまで期待していません。
厳しいマーガレットサッチャーに相対して、夫デニスを演じるジムブロードベントが朗らかで緩くて良かった…！
ジムブロードベントすごくすごく好き。
若年期はともかく、メリルストリープとジムブロードベントと最高の役者がいてようやく保たれる映画じゃないでしょうか。
ただ演技を見ました。
旦那さんの幻覚が見えるというのは、面白いけれど伝記映画としては致命的にリアリティを失い、リアリティから乖離したストーリーにするならともかく、史実に基づくシーンもありどっちつかず、決め手に欠けるストーリー運びでした。
演技は見ごたえあるんだけどなあ…
