Jun潤

名も無き世界のエンドロールのJun潤のレビュー・感想・評価

2.8
2021.02.07

(一応)予告を見て気になった案件。
こういう予告の時点で「ラスト○分の衝撃!」とか言われるとなんだかネタバレされたような気分になってあんまり好まないのですが、、、

うーむ、、、
青春×サスペンスのような感じを期待していましたが、青春を期待しているとキダ、マコト、ヨッチの事情はなんとなくしか説明されず、もっと表に出せそうな背景があると思うのに描写されなかったり、ただ台詞のやり取りと場面だけで青春感を出しているだけな感じがしました。
そしてサスペンス部分については、まず衝撃が薄い。
引っ張った割には少ない伏線だけでなんとなく予想はつくし、主人公が犯人のクライムサスペンスとして観ても準備の描写が薄めなので、マコトからキダへのサプライズの方が衝撃としては勝ってしまっていました。
これで準備の場面や、彼らを外から見つめる視点があればまた違ったのかなと思います。

演技については、新田真剣佑は出始めた頃から見ていましたがどんどん上手くなっていますし、闇を抱える好青年を演じると目を見張るものがありますね。
岩田剛典についても、「去年の冬、きみと別れ」で見せたようなシリアスな演技は今作でも光っていましたね。
しかし高校生はさすがに無理がありました笑
ヨッチを演じた山田杏奈は、昨日観た「哀愁しんでれら」でも、おとぎ話のような作風の中に一般人として唯一の存在感を放っていましたが、今作ではキダとマコトの行動原理、二人の青春の象徴として、画面内にいなくても存在感を放っていました。
あと中村アンは今作ではなかなかの嫌な女っぷり、発狂っぷりを見せていましたが、声の感じから整然とした話し方をする秘書のイメージが強いので、今作の演技はあんまり合ってないなーと思いましたが、これで演技の幅が広がったことを祈るばかりです。

最初にも言いましたがあまり「ラスト○分!」みたいな煽りは嫌いで、そこに向かうんだろうなと思って観ていると、そこに繋がらなさそうな場面に気が向き辛かったり、作品としてもそのラストに向けて伏線を張り巡らすというより、こぼれ落ちてきたものを拾っていく感じがしたりするので、予告を一切見ないか、もっとフラットな視点で見ないといけないですね、、。
Jun潤

Jun潤