タカシサトウ

スパイの妻のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

[時代より夫婦の物語]

 何となく、ピンとこなかったが、福原聡子の蒼井優の映画なんだろう、と思った。

 終盤、夫優作(高橋一生)が、果たして聡子と一緒に? そして、それが覆る展開に、驚きはしたが、所詮、そんな展開だろうと、ちょっと落胆した。

 それより、ラストの字幕で示した、もしかしてアメリカの地に立つ所が肝で最もいい所だろうに、それを映像でやって欲しかった。
 
 戦前の関東軍のきな臭い感じがとてもよく、津森の東出昌大が、スキャンダルでも消えずに、あいまいな役どころをこなしているのが良かった。

 関東軍なら、もっと執拗に福原夫婦を追い詰めるだろうに、簡単に釈放されてしまう。言われているように、実は、夫婦の物語で、時代はどうでも良かったのかもしれない。 

 濱口竜介が共同で脚本を作ったとのことで観る。もう少し、突っ込んだところを観たかった気がした(2021.8.20)。