しゅんすけ

エノーラ・ホームズの事件簿のしゅんすけのレビュー・感想・評価

4.2
「エノーラ・ホームズの事件簿」

 NETFLIX制作によるミステリー・アドベンチャー。

 シャーロック・ホームズの妹であるエノーラは、突然失踪した母を探すために、厳格な兄のマイクロフト、名探偵シャーロックを欺きながら、母から学んだアナグラムや武術を駆使し、ロンドンに潜む闇に挑むという話。

 ちょっと前にネトフリで配信された「悪魔はいつもそこに」が重たそうな感じだったので、ファミリー向けな本作を先に観ました。伏線回収もしっかりした快作でした。

NETFLIX は「タイラー・レイク」のゴルジフテ・ファラハニや「オールド・ガード」のシャーリズ・セロン、「プロジェクト・パワー」のラップ少女に続きまたまた逞しい女性ヒーローを作り上げてきました。エノーラを演じるミリー・ボビー・ブラウンは製作も担当しているということで、若いのにすごいな&それを受け入れるNETFLIX の懐の深さに感嘆します。エノーラがリチャード3世やデッドプールみたいに「第4の壁」を破って喋りかけてくるのですが、ミリー・ボビー・ブラウンがめちゃくちゃに可愛かったです。

 ヘンリー・カヴィル演じるホームズは、ロバート・ダウニーjr. やベネディクト・カンバーバッチとは違い、変人感は薄め。但し、メンター(主人公を導く役どころ)として出番は少ないながらも、めちゃくちゃカッコ良かったです。

 途中に出てくる侯爵との恋愛模様もベタベタしすぎずに爽やかな感じ。ただ、全体的に過去のネトフリ作品に比べると描写や話の展開もかなりソフトで物足りないかもしれません。ただ、個人的にはホームズの映像化で一番好きな宮崎駿が製作に関わったアニメ版ホームズ(犬のやつ)に近くて、とても好きでした。

 全体的にはファミリー向けで19世紀を舞台にしたコスチュームものでありながらも「保守と改革」であったり、「投票制度の見直し」「女性の社会進出」といったタイムリーな話題もあつかってるのはさすがにNETFLIX といったところでしょうか。

 続編ぜひぜひ作ってほしい一作です。ホームズ関連の映像化作品にまた傑作が加わったそんな感じの一作です。