せんな

犬部!のせんなのレビュー・感想・評価

犬部!(2021年製作の映画)
3.8
動物愛護サークル「犬部」メンバーの1人・柴崎を演じる中川大志が凄まじかった。動物を守りたいという揺るぎない信念を持っていながら、働き出して徐々に壊れていってしまうさまが痛々しくて、でもとてもリアルで、すごく引き込まれました こんなふうに日々戦っている人が実際にいると思うと、問題の大きさにあらためて気付かされるし向き合っている人たちに頭が下がる思いです

現実を真正面から受け止め続ける柴崎に対して、理想を追い続けるまっすぐな主人公・花井。動物のために自分の身を削ることも厭わない、狂気ともいえるようなまっすぐさ。彼の信念と明るさが、この物語の爽やかさを支えていたと思います。犬と戯れる無邪気な姿も、動物を助けたいという強い思いを持つ真剣な表情も、全てが魅力的でした。
違和感なく大学生役ができるその若々しさもさすがすぎる

花井と柴崎の出会い・動物愛護センターでのシーンが強烈に記憶に焼きついた。これはフィクションでも何でもない、現実に毎日起こっていることなんだ

辛い現実がある一方、終盤の譲渡会では心が温かくなりました。犬のエルサをめぐる物語や柴崎の再起。希望につながるラストが爽快でした。

胸を抉るような動物愛護の現状と、爽やかな青春ストーリー、どちらも味わえる作品でした。
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