ひでやん

ザ・ファブル 殺さない殺し屋のひでやんのレビュー・感想・評価

4.0
少女に負わせたダメージと、少女に持たせたイメージ。

アクションは前作よりパワーアップし、ストーリーは前作より感動的だった。続編となる今作の敵は、表向きは善良なNPO団体の代表だが、裏では資産家の子息を脅して金を巻き上げる極悪人なので、前作の内輪もめより「敵」が分かりやすい。堤真一の悪役ぶりは流石。

猫舌のファブルと二枚舌の宇津帆の因縁も良かったが、立体駐車場で「原因」を作ったファブルと、車椅子という「結果」となったヒナコの因果関係にグッときた。こういう物語に弱い…。

今作はとにかく木村文乃が最高。あんたかっけえよ。前作ではあまり目立たなかったヨウコが凄腕の殺し屋を蹴散らすアクションが爽快。肝が据わったヨウコの鋭い目と、ハッタリではない余裕の台詞にゾクゾク。そして彼女にプライドをズダズダにされた安藤政信の演技もいい。「命の童貞を捨てた気分だ」…て、カッコイイぜ。

修羅場、足場、男子、燃ゆ。殺さずは美となる多面体♪というわけで団地。階を移動し、部屋に飛び込み、足場を駆けて、縦横無尽に無双する岡田准一。まるで巨大なジャングルジムでパルクールをするようなアクションで、ここまでくるとジャッキー・チェン。一発も弾が当たらずラッキー君。人を殺さずタンポポ踏まず、崩れる足場を猛ダッシュ。白パーカーの男と圧巻のスピードで繰り広げるバトルは……ごめん、どうしても言いたい。6秒超えてるやん!

ヒナコの足に希望があり、足の下には絶望があるラストはハラハラ。平手友梨奈っていい表情するね。
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