nana

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版のnanaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

いろいろバージョンがあってこれで合ってるのか分からないけれど、午前十時の映画祭で鑑賞。

ティム・ロスのどこか上目遣いな、ピュアな雰囲気がこの1900というキャラクターにぴったりな気がします。
たとえ演奏演技が嘘でも、観客に彼は天才ピアニストだと信じさせることに説得力を持たせる演技でした。

生まれてからずっと豪華客船の中で暮らす1900。
寿限無並みに名前が長くなるんじゃないかとヒヤヒヤしつつ、きっと周りの船員も「子供を育てるなんて、あいつ馬鹿だよなぁ」なんて言い合いながらも交代で1900のお世話をしていたんじゃないかなとか、想像が膨らみます。
全自動ゆりかごのダイナミックさ。
そりゃ船酔いなんてしない身体に育つね。

ずっとこの場所で生きてきた。
もう、他では生きていけない。
彼が人生を変えるには、既にあまりにも年月が過ぎてしまったのかもしれません。
終盤は展開がもう分かってしまうからこその切なさがあります。

…なんて、実はすべてマックスの作り話でした!なんてオチも想像してしまうくらい、大人のおとぎ話のような物語。

エンニオ・モリコーネの美しい旋律を映画館で体験できて良かったです。
来年度の午前十時の映画祭も楽しみ。
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