バス行っちゃった

アイの歌声を聴かせてのバス行っちゃったのネタバレレビュー・内容・結末

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

うちのSwitchにも突然AIが宿ったりしないもんかな。いやそれはそれで恐いのか。頭が古くて嫌ねえ。

劇中の風景から組織の力関係、シオンの成り立ちなど、古いものの上に新しいものを付け加えてアップデートしていくという、至極真っ当な方法である反面キメラ化とも言えるような新旧相克するいかにも過渡期な複雑化した近未来像、故に我々の生きる世界と地続きであると思える世界でミュージカルなので、なるほど終わってから拍手していた人がいたのも頷ける感じ。

また、基本的にミュージカルはこちらが「そういう世界なんだな」と見做さなくてはいけないのでそこで一旦白けてしまうというのがあるのだけれども、この作品においてはミュージカルシーンが発生する理由がちゃんとあって、それが話の根幹にきちんと関わっており、かつ基本的にはシオンしかミュージカルという表現手段を取らないこともあいまって、こちらが忖度するような状況が一切なく楽しめたのもよかった。

そんなこんなで作品自体は楽しかったんだけど、LIVEZOUNDの調整がアレだったのか、肝心のミュージカルシーンの音量が、ただ大きいというのではなく、硬質で耳障りだったのが残念。

あと個人的に、気持ちはわかるんだけど、母親のあの突如不安定になる感じが少し唐突だったので、前フリとしてそうなってもおかしくないと思わせるものがちょっと置いてあるとよかったかもとかを偉そうに。