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オクトパスの神秘: 海の賢者は語るの10000lyfhのレビュー・感想・評価

3.5
人間の男性とメスダコとの 1年間にわたる交流を記録したドキュメンタリ。この 2者の、種を超えて通じ合う思いの純粋さと、その終幕の切なさに、打たれた。海中の非哺乳類と人との交流は意外だし、この経験を持てた男性が羨ましい。自然界に干渉しないため、外敵のサメを追い払わずに顛末を見守る姿勢、当然ではあるが、切ない(タコが傷ついた時の、男性も「一線を超える」と認める、一時的な給餌は、OK としたい。私でもそうするだろう)。メイティング時の、明瞭に伝わってくる男性の嫉妬心も、微笑ましくも切ない。大量の産卵後に死を迎えるライフサイクルには、生物の様々な、時に残酷な生存戦略を見せつけられた思い。映像は、学術的にも貴重なものとなるだろう:捕食(伸ばした腕で捕捉、覆いかぶさる、ドリルで貝に穴開け、待ち伏せ)、保身(岩に擬態、貝殻を纏う、海藻に隠れる、一時的に上陸)、腕の再生、「二本足」歩行や魚群とのダンス、そして男性との握手やハグ。劇伴は安定のピアノ、弦、シンセ、ザトウクジラ
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