このレビューはネタバレを含みます
暴力を振るい過ぎてしまう深間刑事がアメリカで3年間治療をして日本へ呼び戻されると、見知った街は徹底的に“犯罪を許さない街”へと変わり果てていた。
激怒した深間が拳で殴り倒すシーンやラストの決着シーンなどバイオレンス要素はかなり見応えあり。
権力を持ちすぎた町内会の自警団が、軽犯罪を起こした市民やホームレスに、集団リンチしたりタイヤネックレス(タイヤ首にかけて放火)したりするのは、なかなかギョッとする。
市民の知らぬところで勝手に変わっていく行政システム、自粛警察やら社会的弱者に対する過剰なバッシング、昨今の薄ら寒い日本の相互監視社会に牙を剥くというコンセプトが面白かった。
ただ統一感のなさやトーンが合ってない部分が目立っており、もったいないと感じた。
アメリカの繋ぎ合わせた映像を入れるくらいなら、全カットでもよかった。薬漬けになってます感も出てない。あの手作り感ある青い鳥なんだったんだろ笑
オープニングのカッコいい感じでいくのかと思ったら謎のコントシーンみたいなの挟むし、最後はオシャレにThe Endとか、ちゃうやろってツッコミ入れたくなる笑。
デザインや音楽に気合を入れている分、そういう気の抜けた部分でおいおい!となったけど総合して楽しめるエンタメ作品だった。
富士見町警察署長の座を追放された中原翔子さんは、きっと山奥の洋館で黒魔術を覚えているのだろうと思うことにした。
******鑑賞メモ******
主演の川瀬陽太さん舞台挨拶付き。自分が見ている作品にも多数出演しているはずだが全く印象に残ってない笑。それだけ作品に馴染んでしまうタイプの役者さんなんだろう。ご本人は強面な役柄とは逆にチャーミングな方だった。
今までの日本映画を作ってきた方々が川瀬さんの人脈でキャスティングされているそうだが、名前や作品名を聞いてもピンと来ない笑。高橋ヨシキ氏もよく知らないし、まだまだ勉強が足りなさそう。